US配列の親指シフトキーボードを作ってみました。【追記中】
もちろん「邪道」ですが、ほしいものは自分で作ります。
(1)作る理由
- かな入力は親指シフトにしたいが、記号などはUS配列に慣れているのでそのまま使いたい
- 東プレRealforceの静電容量無接点式(静音タイプ)のキータッチに近づけたい
上記1のため、US配列キーボード配列のスペースキーの下に「親指左(無変換)」と「親指右(変換)」キーを足したものを作ります。JIS配列にしないもう1つの理由は、このキートップです。US配列しか入手できないわけですが、日本語特有のキーを変に混在させると色のバランスが悪くなるためです。
上記2のため、Cherry MXスイッチをできるだけ静電容量無接点式に近くモディファイします。
このようなキーボード自作はコンパクト型にすることが多いのですが、私はフルキーボード派です。
(2)キーボードの構成
- ARCHISS ProgresTouch Retroフルキーボード
- TopMate製の中華赤軸US配列キーボード(筐体とプレートを流用)
- FLINT キーボードを作ろうぜ!キット(イチロヲ さん)
- かえうち(うぇぶしま さん)
- やまぶきR(親指くん さん)
1は静音赤軸を流用するためです。茶軸などと違い静音赤軸は国内での入手性がよくありません。そのため、静音赤軸採用のキーボードを購入し、スイッチだけ取り出します。両面基板なので半田吸取器を使って問題なく摘出できました。
このキーボードはグレー軸(Linear Grey)のスイッチを半田付けして再利用しています。これはこれでレアなキーボードになりました。
2からは筐体とプレートを流用します。フルキーボードの大きさでは3Dプリンタで筐体を作るのは実用的ではありません。追加するキーの部分だけ切り欠きます。また、プレートもフルキーボードのキーの数だけ穴開け加工するのは大変です。
3はHOLTEK HT82K628Aを積んだいわばブレイクアウトボードです。親指シフトのために無変換と変換キーを使うので、外見はUSキーボードでも日本語キーボードにする必要があります。最低限動く展示物を間に合わせる必要があり、動作確認しながら組んでいける観点からも選びました。また、Arduinoなどマイコンを使うと、安定動作に懸念があったというのもあります(かえうちはAtmelのドライバ問題で何回かひっかかりました)。
4はUS配列とJIS配列での文字や記号の違いを吸収するために使っています(最大3レイヤ使用)。
5はかな入力時に親指シフトにエミュレーションするものですが、普通に考えれば4で実現できるので要らないように思えます。しかし、親指シフトのエミュレーションをかえうちで行わないのは、デモ用ノートPC(富士通LIFEBOOK S762/F)の親指シフトキーボードを機能させる(本体と外付けで同様に使えるのを見せる)ためです。このキーボードを実際に使うならWindows側で行う必要もありませんし、かえうちに飛鳥配列などを仕込んでもよいわけです。
(3)スイッチの構成
9種類くらいあるCherry MXスイッチを打ち比べて、静電容量無接点式に一番近いという観点から静音赤軸(ピンク軸)を選択しました。しかし、標準状態では若干タッチが重いため、スプリングを45gから35g(Ali Expressで入手)に換装しています。
静音赤軸(ピンク軸)は入手性が悪いため、Escなど一部のキー(キータッチが別でも構わないキー)は黒軸などを使っています。スペースキーは静音赤軸ではスプリングが弱すぎるため、通常の赤軸にしています。